40代で転職を考えている方のなかには、「これまで何度か転職しているけれど、転職回数が多いと不利になるのではないか」「40代で転職3回、5回は多いのだろうか」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
転職回数は、企業が職歴を確認する際の要素のひとつです。ただし、「3回以上なら不利」「5回以上なら転職できない」といったように、転職回数の多さだけで一律に採用へ影響が出ることはありません。
同じ転職回数でも、各社での在籍期間や転職理由、これまで培ってきた経験・専門性、応募先との関連性などによって見られ方は異なります。
厚生労働省の「令和7年 雇用動向調査」では、2025年の転職入職率は男性では40〜44歳が7.3%、45〜49歳が6.0%、女性では40〜44歳が10.5%、45〜49歳が10.0%となっており、40代でも実際に転職入職が行われています。
本記事では、公的統計や民間調査に加え、40代のIT転職に特化したエイジレスエージェントにご登録いただいているIT人材の傾向、実際の40代の転職成功事例などをもとに、40代の転職回数がどのように見られるのか、転職回数が多い場合にどのような準備をすればよいのかを解説します。
40代の転職回数は採用に影響する?

40代の転職では、職歴の一部として転職回数を確認されることがあります。
ただし、企業が見ているのは単純な「回数」だけではありません。
たとえば、転職を3回している場合でも、それぞれの企業で一定期間働きながら専門性や担当領域を広げてきた人と、短期間での退職を繰り返している人では、職歴から受ける印象は異なります。
また、転職によって技術領域を広げたり、エンジニアからPL・PMへ役割を広げたりしている場合には、転職経験そのものがキャリア形成の一部となっているケースもあります。
マイナビの「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」では、2024年に1名以上中途採用した採用担当者1,368名に対し、応募者の転職回数が一定の上限以下であることを求めるか尋ねたところ、77.6%が「求めている」と回答しています。
また、40代の応募者について転職回数を気にすると回答した採用担当者989名に「何回から採用を躊躇するか」を尋ねた結果、「3〜4回」が25.1%、「5回」が23.6%でした。4回までを基準とする回答の合計は46.4%となっています。
※回答対象は、40代応募者の転職回数を気にすると回答した採用担当者です。
参照:マイナビ「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」
この結果から、転職回数を選考時に考慮する企業があることがわかります。一方で、「40代は3回以上なら不利」「5回なら採用されない」といった共通の基準が示されているわけではありません。
重要なのは、「40代では何回までなら転職しても大丈夫か」という回数だけで判断するのではなく、それぞれの転職の背景や、各社で積み上げてきた経験まで整理することです。
40代の転職回数の平均はどのくらい?
40代の転職回数について考える際、「ほかの40代は何回くらい転職しているのか」が気になる方もいるでしょう。
ただし、調査によって対象者や転職回数の集計方法が異なるため、平均値だけで自分の転職が有利・不利と判断しないことが重要です。
一般の40代では平均2.2回という調査結果がある
パーソル総合研究所の「働く10,000人の就業・成長定点調査」では、2026年の40代の「今までの転職回数」は平均2.2回でした。
同調査は全国の15〜69歳の有職者10,000人を対象としており、IT職種や転職希望者だけを対象としたものではありません。また、「6回以上」を6回として数値化するなど、調査独自の集計方法が用いられています。
参照:パーソル総合研究所「働く10,000人の就業・成長定点調査|今までの転職回数」
また、厚生労働省が2026年9月25日に公表した「令和7年 転職者実態調査」では、転職者について、年齢階級別に「1回」「2回」「3回」「4回」「5回」「6回以上」の転職回数と平均転職回数を集計しています。
ただし、この調査における「転職者」は日本の40代全体ではありません。一定の条件を満たす一般労働者のうち、調査対象期間に他企業から現在の勤め先へ転職した人を対象としているため、一般有職者を対象とした調査や、エイジレスエージェントの登録データとは単純に比較できません。
エイジレスエージェントに登録する40代IT人材では転職回数の中央値は4回
エイジレスでは、40代のIT転職に特化したエイジレスエージェントにご登録いただいている40〜49歳のIT人材の方のデータをもとに、転職回数を集計しました。
集計の結果、転職回数の中央値は4回となりました。
転職回数が5回以上という方も少なくなく、40〜49歳のIT人材のキャリアの積み方には幅があることがわかります。
一方で、この結果を「40代では転職4回が普通」「IT人材なら5回以上転職していても採用に影響しない」と解釈することはできません。
本集計は、エイジレスエージェントにご登録いただいている40〜49歳のIT人材の傾向を示すものであり、日本の40代全体や、日本のIT人材全体を代表するものではありません。また、転職回数と選考結果を比較したデータでもありません。
そのため、一般の40代を対象とした調査との数値差だけを見て、転職回数の多い・少ないを判断することも適切ではありません。
重要なのは、自分の転職回数を平均やほかの人と比較することよりも、これまでの転職についてどのように説明できるかです。
企業は40代の転職回数をどう見ている?

企業が40代の職歴を見る際には、転職回数だけでなく、その背景にある在籍期間や転職理由、経験・専門性なども確認します。
特にIT人材の場合には、これまで携わってきた技術領域やプロジェクト、役割などもあわせて整理しておくことが重要です。
各社での在籍期間
転職回数とあわせて確認されやすいのが、それぞれの企業でどのくらい働いてきたかです。
複数社を経験していても、それぞれの企業で一定期間働きながら経験や役割を広げている場合があります。
一方、短期間での退職が何度も続いている場合には、「入社後も短期間で退職しないか」と確認される可能性があります。
短期離職がある場合には、その事実を必要以上に隠そうとするのではなく、転職に至った背景と、今回の転職で何を実現したいのかを整理しておきましょう。
転職理由に納得感があるか
複数回の転職経験がある場合は、それぞれの転職理由を個別に説明するだけではなく、キャリア全体の流れを整理しましょう。
IT人材であれば、たとえば、
- より上流工程を経験するため
- PLからPMへ役割を広げるため
- 特定の技術領域の専門性を高めるため
- より大規模なプロジェクトに携わるため
- 事業会社側でIT企画やシステム戦略に携わるため
など、転職によって経験や役割を広げてきた場合には、現在までのキャリアを一本の流れとして説明できます。
「なぜ会社を辞めたのか」だけで終わらせず、「その転職によって何を経験し、現在のキャリアにどうつながったのか」まで伝えることがポイントです。
キャリアに一貫性があるか
勤務先や職種が変わっていても、キャリア全体を見ると共通する軸が見つかる場合があります。
たとえば、SEからPL、PMへ役割を広げてきた場合には、「システム開発の経験を土台として、徐々にプロジェクト推進やマネジメントへ担当領域を広げてきた」と整理できます。
インフラエンジニアとしてオンプレミスからクラウド領域へ専門性を広げてきた場合なども、企業やプロジェクトが変わっていても、キャリア全体には共通する軸があります。
企業名や職種名だけではなく、「何を軸にキャリアを積み重ねてきたのか」を説明できるようにしておきましょう。
応募先で活かせる経験や専門性があるか
40代の中途採用では、これまでの経験を応募先でどのように活かせるかも重要です。
厚生労働省の「令和7年 転職者実態調査」では、「専門的・技術的な仕事」で転職者を採用した事業所の採用理由として、「経験を活かし即戦力になるから」が64.1%でもっとも高く、「専門知識・能力があるから」が51.2%と続いています。
※3つまでの複数回答のため、合計は100%になりません。
参照:厚生労働省「令和7年 転職者実態調査|転職者の採用理由」
この結果からも、「専門的・技術的な仕事」の中途採用では、これまで培ってきた経験や専門性が採用理由のひとつとなっていることがわかります。
IT経験者であれば、
- 担当してきたシステムやプロジェクト
- 要件定義・設計・開発・運用などの担当工程
- PM・PL・PMO経験
- 顧客折衝
- ベンダー調整
- チームマネジメント
- IT企画やシステム戦略
- 業界・業務知識
などを整理しておきましょう。
関連記事:40代・50代の転職を成功させる職務経歴書の書き方
入社後に長く働けそうか
企業によっては、転職回数や各社での在籍期間から、入社後の定着について確認する場合もあります。
特に短期離職が続いている場合には、「今回の転職ではなぜ長く働けると考えているのか」を説明できるようにしておきましょう。
仕事内容、キャリア、働き方、企業文化など、今回の企業選びで重視している軸を明確にすることで、過去の転職理由との違いも説明しやすくなります。
40代で転職回数が多いと不利になりやすいケース
転職回数だけで一律に不利になるとはいえません。
一方で、職歴の内容によっては、企業から確認を受けやすくなる場合があります。
短期離職を繰り返している
短期間での退職が複数回続いている場合には、入社後の定着について確認される可能性があります。
それぞれの退職理由を整理するとともに、今回の転職先では同じ状況を繰り返さないために何を重視しているのかを説明しましょう。
転職理由を説明できない
退職理由だけを並べると、キャリアの方向性が伝わりにくくなる場合があります。
退職理由と、その後に得た経験までセットで整理することが重要です。
キャリアの方向性が伝わらない
転職するたびに職種や業界が変わっている場合でも、それだけで問題になるとは限りません。
ただし、それぞれの経験にどのようなつながりがあるのかを説明できなければ、採用担当者が強みを理解しにくくなる可能性があります。
特に40代のIT転職では、技術経験だけでなく、プロジェクト推進やマネジメント、業務知識なども含めて、キャリア全体の強みを整理しておくことが大切です。
経験の多さに対して強みが明確でない
40代では職歴が長くなるため、すべての経験を説明しようとすると、かえって何が得意なのかわかりにくくなる場合があります。
応募先に関連する経験や実績を優先し、「何ができる人なのか」を明確にしましょう。
転職回数が多くても経験が評価につながる可能性があるケース

複数社を経験していることで、応募先で活かせる経験の幅が広がっている場合もあります。
転職によって専門性を高めている
同じ技術領域や職種を軸に、より高度な業務や大規模プロジェクトへ移ってきた場合には、転職によって専門性を高めてきたことを説明できます。
たとえば、アプリケーション開発、インフラ、クラウド、セキュリティ、ERPなど、特定分野の経験を複数企業で積み重ねてきた場合には、それまでの経験を専門性として整理できる可能性があります。
担当領域や役割が広がっている
SEからPL、PMへ進んだり、技術職からIT企画・コンサルティングへ担当範囲を広げたりしている場合には、役割の変化をキャリアの流れとして整理できます。
転職回数だけではなく、転職を通じてどのように責任範囲や担当領域が広がってきたかを説明しましょう。
複数企業・業界での経験を応募先で活かせる
SIer、事業会社、コンサルティング会社など複数の立場を経験している場合、それぞれの視点を応募先で活かせる可能性があります。
たとえば、「SIerでのシステム開発・導入経験」と「コンサルティングファームでのIT戦略立案・顧客折衝の経験」を掛け合わせてITコンサルタントとしての説得力を持たせたり、「事業会社での社内SE・ベンダーコントロール経験」と「ベンダー側での開発経験」を掛け合わせて、ユーザー企業の意図を深く理解できるPMとして立ち回ったりするなど、複数環境での経験が強力な武器になります。
重要なのは、「いろいろな会社を経験した」と説明するのではなく、その経験が応募先の仕事でどのように役立つのかを具体化することです。
INTLOOP株式会社の企業インタビューでも、ミドル・シニア人材に対し、プロジェクトマネジメントや顧客折衝、若手育成など、これまで培ってきた経験への期待が語られています。
関連記事:「経験を次世代へつなぐ」——INTLOOPが描くエイジレス人材戦略
40代の転職成功者を見ても転職回数はさまざま

エイジレスエージェントを利用して転職した40代のIT人材を見ても、これまでの転職回数は一様ではありません。
47歳で初めて転職した事例
47歳で転職したK様は、新卒で大手物流企業に入社してから24年間、物流・宅配領域のシステム開発・運用に携わってきました。
47歳で初めて転職活動を行い、基幹システムのリプレースやプロジェクトマネジメントなどの経験を活かして、コンサルティング業界への転職を実現しています。
長く1社で働いてきた場合でも、「その会社で何を経験してきたのか」「次の企業でその経験をどう活かすのか」を整理することが重要だとわかる事例です。
関連記事:47歳で初めての転職。コンサル業界で新たな挑戦を決めた理由とは?
46歳までに4社を経験した事例
一方、M様はエンジニアとして24年間のキャリアを持ち、46歳で転職活動を開始した時点で4社を経験していました。
4社目では7年間勤務し、Webシステム、IoT組み込み開発、インフラ構築、運用保守など、幅広い経験を積んでいます。
46歳時点で経験社数が4社のため、それまでの転職回数は3回です。
関連記事:24年の経験を「伝える強み」へと再構築。正当な評価と現役続行を掴んだ挑戦。
このように、47歳で初めて転職した方もいれば、複数社を経験したうえで次のキャリアへ進んだ方もいます。
実際の転職事例からも、転職回数だけで可能性を判断するのではなく、それぞれの職歴で何を積み上げてきたのかを見ることが重要だとわかります。
転職回数が多い40代が転職を成功させる5つのポイント

1. これまでの転職理由を時系列で整理する
それぞれの会社について、「なぜ入社したのか」「何を経験したのか」「なぜ次の会社へ転職したのか」を整理しましょう。
退職理由だけを並べるのではなく、それぞれの転職が現在のキャリアにどうつながったのかまで整理することがポイントです。
2. キャリア全体の一貫性を見つける
勤務先や職種が変わっていても、キャリア全体を見ると共通する軸が見つかる場合があります。
たとえば、SEからPL、PMへ役割を広げてきたのであれば、「システム開発の経験を土台に、徐々にプロジェクト推進やマネジメントへ担当領域を広げてきた」と説明できます。
3. 転職によって得た経験・スキルを整理する
複数の企業を経験したことで、異なる技術環境や企業文化、業界、プロジェクトに触れてきた場合があります。
IT人材であれば、利用してきた技術や担当工程だけでなく、プロジェクト規模、顧客との関わり方、チームでの役割なども整理しましょう。
4. 応募先に必要な経験を優先して伝える
40代ではキャリアが長いため、職務経歴書や面接ですべての経験を同じ分量で伝えようとすると、かえって強みがわかりにくくなる場合があります。求人票を確認し、企業が求めている経験と自分が持っている経験の接点を整理しましょう。
関連記事:40代・50代の転職を成功させる職務経歴書の書き方
5. 転職回数を必要以上にネガティブに捉えない
転職回数そのものを変えることはできません。
そのため、「転職が多くて申し訳ない」と必要以上にネガティブに説明するよりも、事実を正確に伝えたうえで、それぞれの経験から得たものを説明することが重要です。
転職回数が多い場合の職務経歴書・面接での伝え方
職務経歴書では応募先に関連する経験を重点的に書く
職歴が多い場合でも、すべての会社について同じ分量で詳しく説明する必要はありません。
会社名や在籍期間などの職歴は正確に記載したうえで、応募先で活かせる経験・実績を重点的に伝えましょう。
40代のIT人材では、経験してきたプロジェクトや技術が多くなる傾向があるため、採用担当者が「どの領域で、どのような価値を発揮できる人なのか」を把握しやすい構成にすることが大切です。
関連記事:40代・50代の転職を成功させる職務経歴書の書き方
面接では退職理由だけで終わらせない
面接で転職理由を聞かれた場合には、「なぜ退職したか」だけではなく、
- 何を求めて転職したのか
- 転職後に何を経験したのか
- その経験が現在にどうつながっているのか
まで説明できると、キャリア全体が伝わりやすくなります。短期離職がある場合にも、事実を取り繕うのではなく、その背景と、今回の企業選びで重視していることを整理しておきましょう。
関連記事:40代・50代の面接マナー|ベテランほど見直したい「印象」の整え方
40代は転職回数だけでなく「何を経験してきたか」が重要
40代の転職において、転職回数や各社での在籍期間は、企業が職歴を確認する際の要素のひとつです。
しかし、「3回以上なら不利」「5回以上なら転職できない」といったように、回数の多さだけで一律に可能性が閉ざされるわけではありません。
重要なのは、それぞれの会社で何を経験し、なぜ転職し、どのような専門性や実績を積み重ねてきたのかを整理することです。
特に40代のIT人材では、技術経験だけでなく、業務知識、プロジェクト推進、顧客折衝、ベンダー調整、マネジメントなど、長いキャリアのなかで培ってきた経験を応募先で活かせる可能性があります。
転職回数だけで自身の可能性を判断せず、これまでのキャリアを棚卸ししたうえで、「次の企業でどのような価値を発揮できるのか」を伝えられる状態を整えましょう。
関連記事:40代・50代の転職準備ガイド|転職活動を開始するその前に
関連記事:40代向け転職エージェントは“ランキング”より選び方が重要
エイジレスエージェントの登録データ集計について
本集計は、40代のIT転職に特化したエイジレスエージェントにご登録いただいている40〜49歳のIT人材のデータ(経験社数を確認できた方)を対象としています。
本集計は、エイジレスエージェントにご登録いただいている40〜49歳のIT人材の傾向を示すものであり、日本の40代全体や、日本の40〜49歳のIT人材全体を代表するものではありません。
本記事では、ご登録いただいた経験社数から1を引いた値を「転職回数」として集計しています。
登録内容は、ご本人からの申告情報などに基づいており、経験社数の数え方には個人差がある可能性があります。
また、本集計は転職回数と選考結果を比較したものではなく、転職回数の多寡と転職の有利・不利に因果関係があることを示すものではありません。



